敷居が低く入りやすい、面白く知的好奇心が満たされ、なお敷居は低くても、目線(最終的に見ているもの)はどこよりも高く…。
この点で、自分的にはYou tube最強動画。
なお、「ゆっくり系」はフリー素材に近く、作者も内容もゲーム実況、時事解説、コント、ドラマと、まるで違うのに、同じキャラが出てきて紛らわしいのでご注意を。
更にまぎらわしい事に、同じ「食」をテーマにした「ゆっくり解説」物も2つ3つかそれ以上見受けられる。
今回取り上げるのはあくまで「『食の雑学』をゆっくり解説」。
スキャンダル興味では、セブンイレブンの上げ底容器追及、令和納豆騒動、「いきなりステーキ」盛衰記が目立つし、追及の執拗さに苦笑する(ターゲットに同情する)が、例えばセブンイレブンの場合、上げ底のひどさを写真で笑うだけでなく、まるで業界誌の記事のように、内部人事にまで踏み込む。
作者は、フード業界誌の記者か関係者と見た。
このサイトを評価するのはテキストや取材の精密さだけではなく、「食」を通して人間や社会をとらえようという目線の高さ、人間への深い愛情すら感じられるからだ。
あの伊是名氏の件を取り上げた時は、自分が見た各サイトで唯一、事の是非を問うだけでなく、障害者も健常者も気持ちよく施設を利用するにはどうしたらいいだろう、という視点を持っていた。
北朝鮮の食事情を取り上げた時は、悲惨な状況で、それでも「インジョコギ」という食材から最低限の栄養を取る民衆の知恵を見出した。
「食」を通じて政治や人間を語ると言えば、「美味しんぼ」を連想するかも知れないが、「食の雑学」は「美味しんぼ」が到底許容しないコンビニ飯、駄菓子、加工食品、遊び半分のネットで話題の「魔改造メシ」も堂々取り上げる。
敷居は低く、目線はどこまでも高く、雑学というのはこうありたいと思う。